2009年11月20日金曜日

失対時代の終焉

かつて近くに失対団地と呼ばれた集合住宅群があった。
失対…つまりは失業者対策用の低賃金住居というわけだ。今では取り壊されてショッピングモールになってしまったが、昔はこのような低所得者向けの生活保護のような制度はこの国の随所にあった。
それはとりもなおさず治安維持のための為政者の知恵というか処方であったわけだが、1980年代のバブル以降、徐々に崩れはじめ、新自由主義なる新たな奴隷制度のもと、すでに崩壊したといってもよいだろう。
元を糺せば田中角栄の日本列島改造論に端を発するわけだが、このような今さえ旨い思いが出来れば将来はどうなってもよいといった刹那主義的思考で政治が行われる、いや政治が失われていったのは何故か?いうまでもなく主要因は戦後のアメリカ統治による国体の破壊=日本人(的思考)抹殺ではあるが、それでも角栄以前はまだまだアメリカに抵抗し頑張る政治家がいたように思う。中曽根首相など表向きはアメリカに追随しているかのように見せかけて、しぶとく日本の主張を押し通す図太さも併せ持ったなかなかの人物もいた。
事大主義という言葉がある。弱者が強者に従うというものの考え方であるが、まさに戦後日本は徐々にこの事大主義に侵されてきた。かつて人々は小説・TVなどを通じて反骨精神を保ち続けてきたものだが、それは教育(学校で詰め込まれる知識ではなく)がまだしっかりしていたということもあるし、庶民の中にまだまだ江戸や明治の薫風が残っていたということもあるだろう。
だが、今や人々は己の幸福のみを追求する余り、公という概念を喪失し幼い子供のような思考しか持ち合わせなくなった、大勢の「恐るべき子供達」である。
元来この国には「情けは人のためならず(自らのためにも人に情けはかけておくべきだ)」といった処世訓があった。韓非子にも「皆自ら為にするの心を挟めばなり(何事も自分の利益のためという気持ちでいれば、怨み合うことはない)」という言葉があるように、東洋一般には「ジャングルの掟」を凌駕する知恵というものがあった。しかるに今や人々は、その知恵を時代遅れなものとして野蛮な「ジャングルの掟」に従って生きている。時代といってしまえばそれまでだが、ならば今後は治安もますます悪く、若さを武器に傍若無人に己の快楽だけを追及する輩も今以上に増えていくのだろう。
過去に戻ることは出来ないとしても、せめて先人の知恵を無駄にしないような世の中になっていって欲しい。動乱までに要する失業率が何%なのか知る由もないが、昨今の暗いニュースと相も変わらずくだらないお笑い芸人しか出てこないTV番組の低俗さに、ふと憂えてみるのであった。

2009年11月13日金曜日

これはフィクションです

完了A「ほとほと困ったよ、みんのさん」
みんの「どしたのよ?急に?」
完了A「いやもうね、民朱党のやつらなんとかしてよ~」
みんの「またかい?おだやかじゃないね~、まあまあもう一杯飲みなよ」
 グビッ
完了A「いやさ、今の仕分けっていうの?あれカメラも入ってるから嘘はつけないわ、袖の下も渡せないわでさぁ~」
みんの「そりゃたいへんだわ!今までのようには行かないね~」
完了A「でしょ?聞いてよ、みんのさん。俺達はさぁ、何も国がめちゃくちゃになってもいいとかそんなことじゃないのよ。ただせっかく浣腸に入れたんだからさぁ~、老後のためにちょっといい暮らしがしたいだけなのよ~。あいつらももうちょっと大人になって欲しいわけよ」
みんの「うんうん、わかるわかる」
完了A「だって年金だけじゃやってけないじゃない?やっぱ月200万はないとさ~」
みんの「当然だよ」
完了A「あ~あ、去年まではよかったなぁ~…ダム一個作れば一生安泰だったのにさぁ~」
みんの「だよね~、Sさんダム、Yさんダム…ダム計画を通したらダムにその人の名前が付いてさ、孫子の代まで仕事しないで遊んで暮らせたっていうじゃない」
完了A「そそ、そうなんだよ~みんのさん。あんたもぶら下がって随分いい目を見てるだろうけど、今後は辛くなるよ~」
みんの「そうなんだよ。オレが社長やってる会社も今まで浣腸から随意で随分よくしてもらってたけどさ~」
完了A「でしょでしょ?なんとかしてよ~このままじゃ干上がっちゃうよ?」
みんの「まあまあ、すぐってわけにはいかないけどさ、任せといてよ!なんたって民衆は飽きっぽいし自分で考える頭なんか無いからさ!オレの番組でガンガン民朱の悪口言ってくから!」
完了A「ほんと頼むよ~みんのさん!来年の選挙までにはさぁ~」
みんの「まあ任せなさいって!オレが言えば大衆なんかいいなりなんだからさ!」
完了A「いつもながら頼もしいね~その言葉を聞くたびになんかホッとするよ。ほんっと頼んだよ」
みんの「任せなさい!任せなさい!」
完了A「よ~し!じゃあ河岸変えておねえちゃんのいるいいとこいこうか!」
みんの「いいね~!でもオレも歳だから激しいとこはもう無理だぜ?」
完了A「わかってるって!あ、ここの払いも伝票で落とすから。いいっていいって!どうせツケは国民にまわしときゃいいのよ!なんたってアイツラのために働いてやってんだからさ!」
みんの「そうかい?いつもいつもすまないねぇ!じゃあここも払いは任せたよ!その代わり明日の番組じゃまた一発民朱の揚げ足とってやっつけとくからさ!」
完了A「うん、楽しみに見るよ!じゃあいこっか!」
みんの「よ~し!いこいこ!」